前略
眼鏡学校の2年間を含めて業界歴17年。
これまで数多くの〝眼〟を見てきました。
本日のブログはご来店頂いたお客様が、それまでお使いになられていた眼鏡をお持ちになり、問診でやりとりする中での「2大違和感」のうちの1つをお話ししたいと思います。
「違和感~その壱~」は〝乱視〟を見づらさや目が疲れる原因の主犯格的な表現でおっしゃるお客様がけっこうな割合でいらっしゃることです。
おそらく以前行かれたメガネ屋さんや眼科さんが、
「あなたは乱視をもっているから、モノが二重に見えるし、疲れてしまうのでしょう」
的な内容を伝えるのでしょう。
そう言われたら仕方がないですよね...
確かに〝乱視〟は視界を見づらくさせ、目や身体が疲れてしまう原因の一つ。
主に角膜の形状が野球ボールのようにまん丸ではなく、ラグビーボールのように扁平になっていることで起きてしまう屈折異常です。
(水晶体の乱視のお話はややこしくなりますのでここでは割愛します。)
ここで知って頂きたい情報
「人類の大半は多かれ少なかれ、乱視を持っています!」
確かに乱視が主要因でモノが二重に見えたり目が疲れることはありますが、しっかりと調べて主犯格かどうかを判断しなければいけません。
よく調べてみるとお持ちのメガネで乱視を含めた屈折異常をほぼ矯正しているにも関わらず
「時折モノがダブり、疲れてしまう、、、」
果たして〝乱視〟の残りのわずかな未矯正分だけが原因なのでしょうか?
ここからがポイントです!
視界をダブらせて見せ、疲れも引き起こしているのが〝乱視〟のせいだけではないなら何なのか?
それは〝斜位〟による可能性を疑っても良いかと思います。
(斜視のお話しまで加えるとややこしくなるのでここでは割愛します。)
聞きなれない医療専門用語かもしれませんが、〝乱視〟同様に多かれ少なかれ〝斜位〟も皆さまがお持ちです。
両目でモノを見ているときは黒目は中央にいますが、片目をカバーをした際に、その隠された目はモノを見なくてもよくなるので、一番楽なポジションへ動きます。
この動いた量が斜位量です。
斜位量が大きければ大きいほど、目の筋肉(外眼筋)の力で黒目を正面に寄せようとする働きも大きくなるため、目に(ひどくなると身体にまで)負担がかかってきます。
斜位をご自身の目の筋肉(外眼筋)でフォローできる方もいらっしゃれば、できない方もいらっしゃいます。
ご自身でフォローできている方は、ダブりもないでしょうから疲れは少なくて済みます。
フォローできない方が「視界がダブって見えて、疲れる」とおっしゃるのです。
ではなぜ先に記した、斜位があるにも関わらず
「あなたはおそらく〝乱視〟が大きいから、モノが二重に見えるし、疲れてしまうのでしょう」
的な内容を伝えるメガネ屋さんや眼科さんもあるでしょう?
理由は〝斜位〟の発見自体は特に難しい検査ではありませんが、その「ダブりや疲れの原因となる斜位」に対するアプローチ、解決方法が難しいからだと私は感じています。
いたずらに斜位を整える専門のレンズ(プリズムレンズ)を処方したら良いというわけではありませんので、 メガネ屋さんや眼科さんの個々の検眼力の差、知識の差が出ます。
当然、検査にも時間がかかります。
例を挙げると、お客様が遠くを見るときと近くをみるときで斜位量が変わるケースは多々ありますし、目の筋肉(外眼筋)の力や、メガネ度数にも気を使います。
予備検査の一つのカバーテストも大事な材料の一つでしょう。
これらいくつかの条件、数値を見極めて処方の適量を見極めなければいけません。
両眼を内寄せしやすくするレンズ〝ベースインプリズム〟の処方においては、適量を見極めた上でさらに注意を払わなければいけません。
なぜ時間をかけて慎重に見極めるのかは、その場限りの改善ではなく将来的に快方へ向かってほしい(悪化させたくはない)から。
これ以上はブログ内では書ききれませんので、検査時にしっかりと見させて頂いた上でお話しできたらと思います。
ダブりや疲れを〝乱視の未矯正〟が原因と思われている方が多いと感じることが「違和感 ~その壱~」でした。
近いうちに「~その弐~」も書きたいと思っています。
長文、お付き合いありがとうございました。
草々
店主 水谷
名古屋市千種区春岡通6-7
眼鏡店 ミルヒト
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