度数下げたのに!?

前略

  

水谷(妻)です。

    

本日は新しいメガネをお受け取りになられた時のお客様の言葉から。

        

        

        

読者の中にはメガネを作ったことがない方もいらっしゃるかもしれませんので、メガネの作成の手順を簡単にご説明すると…

    

     

店頭にお越し頂き、ご要望やお悩みをお聞きする

検査をする

メガネフレームを選ぶ

レンズを選ぶ

(順不同)

決定したレンズを注文し、届いたらレンズ加工・検品

完成品お渡し

      

一つ解説を付け加えると、当店ではレンズは受注発注の形を取っており、お客様にできる限り新しいものをお渡ししたいという想いから、納期はかかってしまいますがこのような流れで作成させて頂いています。

    

         

    

という訳で、メガネ選びの日から何日か経ち、待ちに待ったお渡しの日がやってくるのです!

       

その時のお客様のご感想の一つがタイトルのお言葉。

    

『度数下げたのになんでよく見えるの?』

      

        

     

        

    

       

当店はオープンして1年半が経ちますが、その間、店主の検査・処方で私にとって興味深いものがありました。

   

それは、検査後、『今までお使いの眼鏡と比べると度数を下げましたけどどうでしょう?』という説明とともに仮枠を使って新しい度数をお試し頂く瞬間のことです。

     

「度数下げれるの?」

「よく見えます!」

「何で?」

「本当に度数下げてるんですか?」

   

中には、

「今までと同じように見えるけど何だか楽に感じる」

「目の筋肉が緩んでる感じがする」

と仰る方まで。

     

その中のお一人、当店のお客様であるS様が自身のブログの中でこのことを記事にして下さっています。

お客様目線から大変分かり易い内容ですので是非ご覧下さい。
(S様、素敵なブログをありがとうございます!)

      

https://www.saxschool.com/read-music/

      

     

それではなぜこのような事が起こるのでしょうか。

      

詳しい処方に関しては分かりかねますのでその解説は店主に任せるとして、メガネユーザーとしての私にも『確かにそうだな』と思える大事な点が一つあります。

     

それは、自分が学生時代などに受けてきた近所の眼鏡屋さんの検査を思い浮かべた時のことです。

  

皆さんもご経験があるかもしれませんが、検眼機を覗き込んで遠くにある文字表やランドルト環(あのCの形をしたのです)の視力表を見ます。

        

すると、検眼をして下さる方がレンズの度数を上げたり下げたりして、自分自身が良く見えるかどうかを判断し伝えます。

「こっちとこっち、どちらが良く見えますか?」と聞かれて良い方を選ぶ感じですね!

    

当然当時の私(近視)は学校の黒板など遠くのものがハッキリ見たい訳ですから、『とにかくできるだけ小さい文字まできちんと読めるメガネを作りたい!』と思っているので少しでもよく見える方を選びます。

    

検眼機での検査が終わった後の仮枠(下記写真)での検査でも、一つ二つレンズを変えたりして、とにかくお店の外の看板等の細かい文字まで見えるようなレンズで処方してもらいメガネが出来上がります。

      

これが普通の検眼の流れですし私自身何の疑問も持っていませんでしたが、主人に言われてドキッとしたことがあります。

       

それは、

『お客様が「もっとよく見たい」とか「こっちの方が良く見える」などと言えばメガネ屋さんは度数を強くしてしまいがち』

『ゆっくり丁寧に正しい検査を行えば、自ずと正しい答えが導き出される』。

      

      

     

     

     

     

ミルヒト 驚き②

    

         

      

     

    

確かに~!!!

     

     

私自身のことを思い浮かべると、私の眼鏡度数は私が決めていた気がします。

私主導の視力検査です。

被検者である私だけが「ミルヒト(見る人)」になっていたのではないでしょうか。

        

いやいやもちろん、当店においてもお客様に見え方をお聞きしながら検査は進めるのですが、あくまで主導者は検眼士です。

人間の脳はまだ解明されていないような不思議なこともたくさんありますから、理論だけで正解を出すことは難しく、人それぞれの感じ方の部分も非常に大切です。

それを汲み取るために細やかな問診を行ったり、検眼士がアドバイスしたり被検者さん(お客様)が意見したりすることも検査の流れとして必要不可欠です。

     

しかし、単にお客様が「こっちの方が良く見える」と仰った度数でサッとレンズを処方することはあり得ません。

理論上の完全矯正値(一番良く見える視力を提供する最も弱い度数)を正しく出し、あとはそれに基づいて問診の内容、すなわちお客様の主訴(お悩み)・ご年齢・ご要望・使用環境・それまでのメガネ遍歴などを考慮に入れ度数をご提案。

お客様の「よく見える」を無視する訳ではなく、検眼士の視点で理解・分析し、お客様にもご納得頂くまできちんとご説明した上で最終の度数を決定します。

  

          

当店の検査において完全矯正値が出たところで、それまでお使いだったメガネやコンタクトの度数と比べてびっくり!
「だいぶ強い度数が入ってましたよ」
なんてお伝えすることも少なくないのです。

(もちろん何らかの要因があってご自身の視力の変化が起こることもありますので定期検診は大切です。また、稀ですがわざと過矯正にすることもあるそうです。)

         

当初は私も『そんなことってあるの?』といちいち驚いていましたが、あまりの件数の多さに「またそのパターンね。今までご苦労されていただろうからこれで楽になるといいな…」と思うようになりました。

そりゃ眼精疲労を起こしたり、老眼もまだ始まるご年齢でないのに手元が見えにくいなんてことも起こったりするはずです。

ご自身の目の筋肉を使って長年なんとかだましだましやっていたものがとうとうパンクしてしまい、生活が不自由になって当店に駆け込んで来られるお客様も少なくありません。

       

そのようなお客様の大半が、「年を取って更に目が悪くなった。」「ついに老眼とやらが始まった。」と思ってらっしゃいます。

   

が、

    

検査をして分かったことは、今までお使いのレンズ度数が強過ぎた、
度数が合っていなかったので様々な不快感が生じていた可能性があるのです。

そしてタイトルの「度数下げたのに」よく見える!!!!!と驚嘆のお言葉を頂くのです。

     

        

名古屋 検眼

     

しかしミルヒトが大切にするこれら一連の検査、

非常に時間がかかります。

         

上で述べたように「ゆっくり丁寧に正しい検査を行えば自ずと正しい度数が導き出される」訳ですからそもそもの検査に時間がかかり、その前後の問診や意見交換にも更に時間が必要で・・・

ミルヒト(見る人)とミルヒト(診る人・視る人)のぶつかり合いですから!

      

それだけじっくり時間をかけて検査をすると、「メガネが出来上がって生活の一部になった時に自分の目の状態や視力を意識しやすくなる」と仰っていたお客様もいらっしゃいました。

その長い検査時間に説明されたことを思い出して色々なことが納得できると。

     

正しい検査で快適な視界を手に入れ、加えてオシャレで素敵なフレームで気持ちも上がる...
そんな最高の1本をご提供する為に今日もミルヒトは皆様のご来店をお待ちしております。

      

       

草々

水谷(妻)

名古屋市千種区春岡通6-7
眼鏡店 ミルヒト

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「度数下げたのに!?」への2件のフィードバック

  1. 今回のブログを読んで思い出しました。僕も高校生の頃は、自身で度数を決めていました。
    当時の矯正視力は2.0ですよ笑笑
    初めて、遠近両用レンズにする時に水谷さんと同じような考え方をお持ちの方に、視力検査をして頂きました。
    僕の場合、近視の度数を下げました。片方は、乱視の度数を少し入れて、近視の度数をさらに下げました。
    調整したことにより、以前の度数と比べて、遠くが楽に見えたことを覚えています。
    丁寧に検査してもらえるので、累進レンズの累進帯長や累進帯の始まる位置も、自分に合ったものを見いだして頂けますね。

    1. 名古屋なのにカープファン様、コメントありがとうございます。
      やはり同じようなご経験がおありでしたか!しかも2.0の矯正視力はすごいですね(汗)!!
      良い眼鏡屋さんに出会え遠くが楽に見えるようになったことで、疲れの軽減やお手元の見やすさなど様々な好転反応が出てきたと思いますので良かったですね。
      特に遠近両用のメガネになるとその辺りのバランスが大切になってきますので、違和感(揺れや歪み)が少なくなるようご自身に合った度数や設計を選ぶことはとても大切です。
      有意義なご意見ありがとうございました!
      店主妻

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