4周年~完成度の高いメガネを作るために~

前略

当店が開店して間もなく4年。
本当に多くのお客様にご来店頂き感謝しかございません。

6月9日で4周年を迎えるにあたり、当店のオリジナルメガネ拭きを作りました!
デザインは仲良くして頂いているイラストレーター兼、野菜ソムリエの“べじこさん”にお願いしたのですが、ミルヒトの特徴を見事にとらえて下さり、大満足の出来上がりです♪

本日より7月末まで眼鏡をご購入頂いた方、レンズ交換をして頂いた方にプレゼント致しますので是非お使い下さい。
(それ以降は¥1,100でご販売も致しますのでご希望の方はお声掛け下さいね)

      

   

さて、ここからがこの度の話題「ここ数年の眼鏡屋さんの傾向」のお話をしていきたいと思います。

ご存知のように眼鏡は店頭においてある時点では“半製品”
「フレーム選び」に始まり「検査」→「適切なレンズ決め」→「レンズ加工」→「フィッティング」
お店のスタッフの手によって“完成品”となります。
これは、洋服等では丈直しなどはあるものの、身に付けるものとしては最も多い工程を辿るアイテムなのではないでしょうか。

ここ数年、この工程を“分業”で行う眼鏡屋さんが増加傾向にあると感じています。
分業にすることで効率化を図れ、技術もそのパートだけを体得すれば早い段階でスタッフに加わる事ができます。
眼鏡業界の景気や人手不足、大型ショッピングセンターの増加、お値打ち量販店の誕生などの時代的背景もその傾向を増加させる一因なのでしょう。

しかしそれは、この全行程を「1人がやること、見守ること」が眼鏡作製において大事なことと考えている当店にとっては危惧すべき傾向です、、、

      

では、なぜ眼鏡は“分業制”に適していないのか?

        

一つは全ての工程に携わることなく分業するが故に、各スタッフの技術や考え方の差があったり出来上がりのイメージがしづらい可能性があるということです。
このため、お客様が
「思っていたのとは違うイメージに眼鏡が仕上がってしまった、、、」
「こんなにレンズの厚みがあって、こんなに目が小さくなるとは思っていなかった、、、」
などという苦い経験は残念ながらよく耳にするお話。


二つ目は眼鏡には「医療器具の側面があること」です。
眼鏡屋さんにおいて視力の補正を目的とした「検査」は大事な工程の一つであり、
「眼鏡は生活必需品」と考えていらっしゃる方にとっては、最重要工程と言っても過言ではありません。
この「検査」から「適切なレンズ選定」の流れにおいて分業制の場合、スタッフ間の意思が共有されていればなんら問題ありません。
しかし共有されていないとなるとお客様の大事な“見え方”において由々しき事態となることは想像に難くないでしょう。

       

       

先々の話をすると、同じお店で何年後かに眼鏡を作製した際、以前とは別のスタッフが検査をすると処方に対する考えは少なからず違ってきます。
違うだけならまだ良いのですが、スタッフ間での情報共有がうまくいかずにお客様がご自身の眼の状態を「再度、一から伝えなければいけない」なんてことはよく耳にします。
これではお客様の見え方に関するお困り事の把握に時間もかかり、以前抱えていた問題点等を見落としかねないなど、「眼の健康」への影響が危惧されてしまいますね。

眼鏡作製の全行程を最初から最後まで「1人がやる、見守る」お店ではこういった“危惧”は起きません。
なぜなら出来上がりのイメージや処方の方向性が確立されており、何年後かに同じお客様に来て頂いたとしてもその方の眼の状態を以前から知っていますので準備万端でお迎えすることができるからです。


当店では眼鏡作製においてスピードアップや効率化は求めていません。
そもそも妻との二人体制でやっていますので、やりたくてもやれませんが(笑)

眼鏡作製は「そういうものではない」と思っており、じっくり時間をかけて最良の1本を生み出すことを心掛けています。

      

       

         

4年経つと有難いことに、
「フレーム選びから、検査、レンズ提案、フィッティング、お渡し後のアフターサービスまで全てあなたたち二人がやってくれるから安心して来てるのよ」
と直接お伝え下さるお客様も何人かいらっしゃいます。
本当に眼鏡屋冥利に尽きる感謝のお言葉です。



しかし、このスタイルを貫いている眼鏡屋さんは業界でも年々少なくなってきていると感じます。
より掘り下げると、この一つ一つの工程を高いレベルでこなせる眼鏡屋さんとなると業界全体のほんの数パーセントしかないのではないでしょうか。

これはお客様の「眼を守る道具」としては決して良い傾向ではありません。
ひょっとすると他の身に付けるものは“分業制”が適しているかもしれませんし、あくまで「眼鏡屋さんにおいて」の個人的見解ですのでお許し下さい。

       


       

「お一人お一人にきちんと合った眼鏡作製には“時間”がかかりますよ。30分とかでは絶対にできませんからね!」
これは眼鏡学校時代の尊敬する先生からの受け売りでもあるのですが、年々この言葉が身に染みています。

ファッション面(似合う眼鏡選び)においてはお一人、お一人コーディネートの好みや、お顔立ちが異なりますのでそれに基づいた提案をしなくてはいけません。
また大事な見え方の面(度数処方)においてはこれまたお一人、お一人、眼鏡を使うシチュエーションが異なるわけですし、作業距離や見たいものも違います。

      

ひょっとすると眼鏡は人が身に付けるアイテムの中で最も作製に時間を要すモノなのではないのでしょうか。

レンズの種類も遠くを見る用やお手元専用、遠近両用など多岐にわたり、レンズメーカーさんによって性能も様々。
もっと言うと度数におけるレンズの厚みはフレーム選びで大きく変わりますし、フレーム自体が持っているカーブもそれぞれ異なります。
それらを考慮したレンズやフレームを提案しなくては
「店頭で掛けてみた印象と異なる仕上がりになってしまった、、、」
ということになりかねません。

ここまでお話しをすると、それらを“分業”で作製するには、よほど全スタッフさんの知識レベルが高く、意思疎通がスムーズにいっていないといけないと容易に想像ができますよね。

          

       

4周年を迎えるにあたり、若干の嘆き節なブログとなってしまいましたが、本当に作業工程が多い小物〝眼鏡〟に於いて昨今のこの「分業スタイル(効率化)」は心配な傾向であります。

「早くできる眼鏡が良い」「ある程度、見えていれば良い」「安さこそ正義」...
そんな眼鏡を求めている方もいらっしゃるのは百も承知。

しかし〝きちんとした良い眼鏡を作る〟には
「フレーム選びから、検査、レンズ選定、レンズ加工、フィッティング、お渡し、そしてアフターフォロー」に至るまでをしっかりとした一人の技術者が責任を持ってやることが一番の近道であると当店は考えています。

4周年を迎える今までも、そしてこれからも当店はお客様とのコミュニケーションを大切にし、お一人お一人に合った眼鏡作製を心掛けています。
願わくばあなたの眼、そして眼鏡を「末長く見守る」ことが出来たら本望です。


お時間のご調整ができる方、眼鏡やサングラスでお困り事がある方は宜しければ〝きちんとした眼鏡作製〟にお付き合い下さい。

あなたの今までにはなかった眼鏡への新しい価値観がきっと生まれるはずです。

早々

店主 水谷

名古屋市千種区春岡通6-7
眼鏡店 ミルヒト

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