前略
こんにちは、水谷妻です。
今日はミルヒトで働く日々の中でのズッコケフレーズの一つをご紹介します。
当店では視力検査は全て認定眼鏡士SSS級(JOAオプトメトリスト)の店主が行います。
今このブログを読んで下さっている皆様はお分かりだと思いますが、
眼鏡にはファッション的側面と見え方的側面があり、当店は『そのどちらも兼ね備えた眼鏡店』をコンセプトにしています。
特に見え方的側面に関してはホームページ内でも詳しくご説明させて頂いている為、そこに期待してご来店頂くお客様も多いのが現状です。
ありがとうございます!
そのようなお客様のお話の中で、
・世の中にはお洒落なメガネ屋さんはたくさんあるけど、きちんと視力を測ってくれるお店は少ない。
・私は視力に問題ありだから、メガネ屋選びが大変。
・他店で作ったメガネの度数が合ってない気がして不安。
などなど、検査に関するご不安の声がチラホラ。
そのような中、当店を探し出し辿り着いて下さった方々に対してメガネを処方する際は身が引き締まる思いです。
そんな流れでの検査の話です。
私にはまだまだ分からないことが多いですので、毎回の検査の内容を耳をそばだてて聞いていることも勉強のうちだと思っています。
検査はまず一通りの問診と、お手持ちのメガネやコンタクトレンズがある方はその度数の確認からスタート。
特に問診は大切ですので時間をかけて様々なご質問をさせて頂きます。
お客様の生活スタイル・職業・趣味、現在の見え方に対するご不満、
新しく作るメガネの見え方に期待すること等を事細かく。
ライフスタイルやご職業によっても見え方のご希望は全く違いますし、
「運転が多いので遠くをハッキリくっきり見たい」、
「普段はコンタクトレンズなのでメガネの時くらいは目を休めたい(やわらかい見え方がいい)」、
「ゴルフをやりたいので遠くが見えるのは当たり前、スコアを記入するために手元も見たい」、
「裁縫をするのでずっと手元を見ていても疲れないメガネが欲しい」
美容師さんは鏡越しのお客様のお顔と髪をカットされる手元、
病院の先生はパソコンのモニターと患者様の体や顔、etc.
個々のご希望は多種多様です。
それらをできるだけ詳しくお聞きした後、いよいよ検査台へと向かいます。
お客様も私が側でじっと見ているのは気になるでしょうし、ここからは遠くの席で耳だけを傾けます。
すると…
色々な道具が出てきたりします。
その中でもかわいいのは赤ボッチが先端に付いた棒。
寄り目(目の内寄せの力)を測っている模様です。
時々「できるだけ頑張って下さい!」と応援する店主の声が聞こえます。
私も心の中で応援します。
それから、右目と左目を交互に隠してみたり、お客様がご自身の手で輪を作ってみたり・・・
正直私自身が学生の頃にメガネを作った際にはやらなかったような検査があれこれ。
お客様もきっと『不思議な検査だな~』と思いながらも一つ一つ真剣に受けて下さっています。
実際、「こんな検査は初めてです」と率直にご感想を述べて下さる方も多いです。
その後、各検査が何を意味するのか、どんな目の状態が分かったのかをお客様へフィードバック。
自分の眼のことなのに、これまで気付かなかった様々な眼の基質や眼の使い方の癖などが分かりびっくりされる方もお見えになります。
当然ですよね。生まれてから当たり前のように見えている世界、それらを意識することはほとんど皆無。
例えば中学生や高校生になって黒板が見えにくくなったなどの症状が現れてメガネ屋さんに行き、「視力が落ちてきたんだな~」くらいが最初の意識という方が多いのではないでしょうか。
私と同じように『メガネは作ったことあるけどそんな検査した覚えがない』、『自分のそのような目の基質は知らなかった』と大抵の方が思われると思います。
そんなこんなで普段馴染みのない目の検査とフィードバックが一通り終わり、その頃にはお客様もやり切った感があるでしょう。
私も心の中で『お疲れ様です』とつぶやきます。
と、そこで、
勘のいい方は気付かれたでしょうか。
あのフレーズ、
「それでは検査を始めます。」
?
何だって?
今からが検査??
出ましたー。
今日もズッコケ頂きました。
今からかい!?
じゃぁ今までのは何だったんだ…
検査の前だったとしたら話が長すぎるわ!
↑
これらは全て私の心の声ですのでお客様には聞こえておりません。
が、毎回これくらい突っ込んでおります。(笑)
こんなブログの文章を書いていることを知ってか知らずか、つい先日、お客様にも初めて
「今からが検査ですか?!」
と思い切り突っ込まれておりました(大笑)
そんな訳でそこからやっっっと本来の視力検査が始まるのです。
店主が申すには、本検査前のそれらの検査は『予備検査』と呼ぶのだそう。
予備検査をすることでお一人、お一人の本検査の段取り(実施しなければいけない検査項目)を決めるとのこと。
また様々な不確実要素を確実に近付けることができ、より正しい度数に導けるとのことなのです。
そう考えると必要不可欠であることが分かりますし、もしも予備検査をしなかったことで正しいレンズの処方ができなかったら…と考えると怖くなります。
当店ではこのように問診から最後の仮枠の検査まで含めると、トータルで30分強、長い方では1時間近くかけて念入りに検査し度数を選定していきます。
検査要綱が複数で長時間になると目も疲れ正確な数値が出にくいこともある為、状態が変わりやすい目の方には別日に再度、検査を行うこともあります。
こんなにも時間がかかってしまってお疲れじゃないだろうか、
せっかくのお休みの時間を費やして頂いて申し訳ないな、などと心配になりお声掛けするのですが、
お客様からは
「こんな風にしっかり診てもらったことが無かったから興味深い」
「こんなにも長い時間をかけて検査して頂いて逆にありがたい」
「私の目は本当はこういう検査をするべきだったんだね」
「自分の目の状態がわかり、将来の目との付き合い方まで理解できて安心した」
などといった温かいお言葉をかけて頂きます。
確かに見え方にご不安・ご不満を抱えていらっしゃる方にとっては、その原因が分かる事や問題が解決する事はプラスになるはず。
そうなる為には時間をかけてじっくり検査をすることはとても大切なのです。
『時間をかければかけるほど良いメガネが完成する』
これは検査だけでなくフレーム選びからレンズ選び、フィッティング全てを含めた眼鏡作りの為のトータル時間を指していますが、当店店主のモットーであり、あながち嘘ではありません。
当店ではお時間は頂きますが、見え心地・かけ心地の良いメガネをご提供することを心掛けておりますので、ご理解のほどよろしくお願い致します。
もちろん、どうしてもお急ぎの場合はできるだけ余分な会話をそぎ落とし(余分な会話が多すぎるのでは?!)検査をシンプルにするご対応も可能ですのでお申し付け下さい。
さらにその上を行くズッコケフレーズに、
一通りの視力検査終了後、
『それでは詳しい検査を始めます。』、
もしくは
『それでは検査を加えます。』がありますが、
長くなりそうなので今日はこの辺りで…
草々
水谷(妻)
名古屋市千種区春岡通6-7
眼鏡店 ミルヒト
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