前略
皆様もよく聞くであろう目の状態を指す言葉「近視」「遠視」「乱視」、そして良い目の状態「正視」。
当店に来店されるお客様で〝眼鏡をかけた状態〟で一番多いのはどれだと思いますか?
おそらく「近視」と答える方がほとんどなのではないでしょうか?
実は「遠視」が一番多いんです。
眼鏡をかけていない状態であれば、日本人に最も多い目の状態の「近視」が多いのは当然なのですが。
でも〝眼鏡をかけている状態〟だと「遠視」が多い!?
!?
お手持ちの眼鏡をかけている状態で過矯正(=矯正しすぎている状態)になっていて〝人工的〟に遠視がつくりあげられているケースが多いのです。
ここで注目して頂きたい「遠視」とは?
上記の絵を見て頂くと「調節なしでピントの位置は網膜の奥にある」とあります。
要するに「調節筋を使うことによってピントの位置を網膜上に合わせなければいけない」のが「遠視」なんです。
ん?
検査をしてしっかりと合わせていたつもりの度数が「遠視(=過矯正)」の状態だった??
絵で事例を記すと以下です。
[-3.00]の近視の人は[-3.00]の度数で良いはずです☟
しかし[-3.00]の度数で良い方に[-3.75]の処方をしてしまうと以下の絵のようになってしまいます☟
要するに[0.75]分、ご自身のピント調節筋を使って網膜上にピントを合わせないといけません。
ピント調節筋→「筋」という名の通り、力を入れて働く筋肉です。正確には毛様体筋と呼ばれます。
ここがメガネをかけている状態で常に働いている(力をいれている)状態になってしまっているのです。
こういった処方は、スピーディー(10分~15分足らず)な検査の結果においては、残念ながら顕著に現れます、、、
特に昨今のオートレフ(下の写真の機械)に頼る検査においては多く見られる事象です。
眼鏡店において種々の方針や考え方はあると思いますが、米国式21項目検査を支持する当店においては基本的にこの『過矯正』の状態にはしません。
例外があるとすれば、
①短時間のスポーツシーンでパフォーマンス向上のためにあえて過矯正にするケース
②それまでお使いの眼鏡の度数が過矯正すぎて、本来処方したい適切な度数までは段階を踏まねばならないケース
③わざと寄り目(目を内向き)にしたいケース←この症例はほとんどありません
しっかりと使用環境や現在の目の状況を診断した上で、上記のケースにおいてのみ過矯正処方にします。
では「遠視(=過矯正)」の状態ですと何がそこまでダメなのか。
理由は
・近くが見づらくなること
・ピント調節筋を必要以上に使わなければいけないこと
・目が「内寄り」になってしまうこと
・乱視の矯正が甘くなってしまうこと
これらが挙げられます。
上記が起こると・・・
・近くが見えにくくなる
・目が疲れる
・ひどい場合は肩凝り等の体の不調が起こる
などマイナスなことが次々と起きてしまいます。
目のピント調節は自律神経にも影響を与えるので「百害あって一利なし」と言っても過言でありません。
では「自身の眼鏡が現在、過矯正かどうかは一瞬で分かるのか?」
残念ながら、時間をかけた詳しい検査をしないとわかりません。
補足:赤と緑の表を見せる「レッドグリーンテスト」で簡易的に判断できますが、レッドグリーンテスト自体が不安定な検査方法ですから当店では参考程度にしています。
ただ「ここのところ眼鏡を掛けると目が疲れるな」と感じたり、
疲れることはなくても「近くは眼鏡を外した方がよく見えるな」というケースであれば要注意!
もちろん年齢も関わってきますので一概には言えないのですが。
当店が大切にしていること
=使用シーンに応じた「楽によく見えるメガネ」を作成すること
無駄に「ピント調節筋」や「内寄せ筋」を使いたくないですよね?
それを可能にするのは〝過矯正にしない、時間をかけた検査〟だけです。
今回のブログは眼鏡をかけた状態での「人工的な遠視(=過矯正)」だけに焦点をあてた話題となりましたが当然、裸眼の方の「遠視」にも全く同じことが言えます。
「ご自身の目の健康、体の健康のために、適切な度数の眼鏡を」
宜しければ、認定眼鏡士SSS級による米国式21項目検査(両眼視機能検査)で詳しく調べることをおすすめ致します。
草々
店主 水谷
名古屋市千種区春岡通6-7
眼鏡店 ミルヒト
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