前略
水谷(妻)です。
タイトルの件ですが、私がこの業界で働くようになって初めて知ったびっくりシリーズです。
正直ミルヒトの店頭に立つまではそんなことあまり気になりませんでした。
皆さんはタイトルの「・・・」に何が入ると思いますか?
「大事」?
「高い」?
いえいえ…
正解は、
「やぐい」です。
「フレームよりもレンズの方がやぐい」が分かった方、
あなたは名古屋市周辺にお住まいですね!
分からなかった方、失礼しました。
「やぐい」は名古屋弁で、弱い、脆い(もろい)といった意味です。
すなわち、レンズはフレームよりも繊細なので、フレーム以上に丁寧に大切に取り扱わなくてはならないという事です。
ここで言うやぐさ・繊細さとは『A.視力矯正の側面 B.物理的な側面』の両面を意味します。
A.の視力矯正における繊細さは皆さんもお分かりかもしれません。
人間の視力は変わるということです。
使用環境や状況、人間の老化現象によっても変わり得ます。
パソコンやゲームのやり過ぎで遠くが見づらくなったり、
近視度数が落ち着いてきたかと思ったら老眼が始まったり・・・。
人間は目を酷使する生き物ですので、レンズの、いわゆる見え方の繊細さは致し方ないですね。
そんな時はお気に入りのフレームはそのままで、レンズだけ正しい度数のものに交換すれば新品そのもの!
また気持ち良く使うことができます。
ただ、ここで気を付けて頂きたいのは、
やはり定期的に(できれば1年に一度は)視力チェックをして頂きたいということです。
いつもと同じ度数のメガネでいつもと同じ生活をしていると、なかなかご自分の視力の変化には気付きにくいです。
「あれっ?いつも見えていたはずの看板の文字が見にくいなぁ」
「最近スマホ見るときやたら手を伸ばしてしまう・・」
と違和感が出てしまう前に、是非定期的に視力チェックは受けましょう!
(もちろん当店でも承っております。)
そして私の「メガネびっくりシリーズ」は、B.の物理的繊細さ・弱さです。
こんな方はいらっしゃいませんか?
①サウナやスーパー銭湯で視界がはっきりしないのが不安で、メガネをかけたまま入ってしまう。
②運転用にサングラスを購入し、常に車の中に置きっぱなし。
③メガネをかけたままドライヤーで髪を乾かしている。
④手元用のメガネなどを持ち歩く時に、ケースに入れずにそのままバッグやポケットにポイッ。
⑤キレイ好きなのでレンズの汚れが気になり、朝から晩まで何度もセリート(メガネ拭き)で拭きまくっている。
⑥強い汚れには水洗いがおすすめだと聞いたので、帰宅後手を洗うついでにメガネもハンドソープで洗っている。
いかがでしょうか。
心当たりはありますか?
私も以前はこの中の二つ三つ、やらかしていました。
一つでも心当たりがある方…
『アウトーーーッ!!』です。
残念ながら、それはあなたのメガネレンズにとって過酷な状況です。
ひょっとしたらもう見て分かるほど弱ってしまっているかもしれません。
レンズにコーティングの剥がれや、クラック(ひび割れ)が入ってしまっていませんか?
それらのコーティング剥がれやクラック、キズは修理することができません。
いくら度数が合っていても見え方に不快感も出るでしょうし、何よりせっかく素敵なフレームだったとしても傷んだレンズでは他人から見てかっこ良くはありません。
①~⑥までのシチュエーション、果たして何がいけないのでしょうか。
まず①~③ですが、
メガネレンズは高温には非常に弱い性質を持っています。
詳しく言うと、メガネレンズは基材の上に様々なコーティングが施されているのですが、基材が熱を受けると膨張するのに対して、コーティング層はそれほど膨張しないためひび割れてしまうのです。
ぬるま湯くらいならまだしも、お風呂の温度より高くなると致命的。
サウナはもちろん、車の中の温度は気温に対してかなり高温になる事は皆さんもご存知の通りですから、そのような環境にメガネを置いておくことはレンズにとってかなりのリスクとなります。
④は分かりやすいでしょうか。
ポケットやカバンの中に入っているペンや鍵など硬いものがレンズに当たったり、取り出すときに落としたり、キズが付きやすいレンズにとって良くないというのは一目瞭然ですね。
⑤は一見良い行動のように見えませんか?
きれいに拭きまくって何が悪いんだ?!とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
私も以前は指紋が付くのがすごく気になって、特に夜寝る前にはセリート(メガネ拭き)でレンズがピカピカになるまで必死に繰り返し拭いていました。
それを見た主人、めちゃくちゃ早口で
「チョイチョイチョイチョイチョイチョイ(汗)」
(「ちょっと待って」の活用形)
「拭き過ぎだわ」と注意を受けました。
そもそもメガネレンズは乾拭きはよくありません。
水洗いをしたりレンズクリーナーを付けたりして、水分のある状態で優しく拭いてあげることが一番良いのです。
それなのに「指紋(油汚れ)が付いているから…」と乾拭きで激しく拭いてしまってはキズが付いたり、もっと悲惨なケースですと、目に見えないような小さなキズが元々できていた場合はそれをさらに大きく広げてしまう事になるのです。
(今考えるとその頃の私はセリート(メガネ拭き)を頻繁に洗うという習慣がなかったので、汚れたセリートで拭くから余計に拭きとれずにゴシゴシやっていたのでしょうね。皆さん、セリートは一週間に一度はお洗濯しましょう!)
⑥に関しても、お客様でやってしまっていた方がチラホラ。
肌に優しい「弱酸性」といったハンドソープ・ボディーソープのキャッチコピーを聞いたことありませんか?
また、石鹸は基本「弱アルカリ性」です。
ハンドソープや石鹸は人間の肌や汚れに対する作用を考えた上で弱酸性・弱アルカリ性となっています。
はたしてメガネレンズに対する作用はどうなのでしょうか?
答えは、『完全にダメ、レッドカード』です。
やはりこれらもレンズのコーティングに影響を与え、コーティング剥がれの原因となってしまいます。
では、メガネレンズに皮脂などの油汚れが付いてしまい水洗いではキレイにならない場合どうすれば良いのか。
もうお分かりですね?
酸性とアルカリ性がダメなら中性の洗剤をお使い頂きたいのです。
中性洗剤と言えば台所の食器洗い洗剤が思い浮かぶでしょうか。
そう、それで良いのです。
しかも抗菌・殺菌などを謳う高スペックの食器洗い洗剤は中性で無いことがほとんどなので、本当に普通の、一般的な、オーソドックスなもので充分です。(商品説明のラベルに中性と表示があることを確認しましょう!)
水で濡らしたレンズに洗剤を一滴垂らして指で優しく汚れを落とし、最後はしっかり水で洗剤成分を流して下さい。
その後柔らかい布やティッシュで水分を吸収し、最後にメガネ拭きで仕上げればあっと言う間にピカピカになります。
皆さんいかがでしたでしょうか。
私もこの業界に入って1年で知ったことばかりですので大きなことは言えませんが・・・。
①~⑥のメガネに対する行動で心当たりのある方、
もう既にレンズにキズが付いたりコーティング剥がれが起こってしまっている方、
今一度レンズの取り扱いに注意し、悪化を防ぎ、できるだけ正常な状態のレンズで快適なメガネライフを送って頂ければと思います。
さて、ここでタイトルに戻りますが、
「フレームよりもレンズの方がやぐい」
これには前提があります。
それはメガネフレームがメタルであってもセルであっても『本物』であること。
本物とは、誤解を恐れずに言うならば、格安の量産品ではないということです。
(このブログ、前略ミルヒトより内の「肉と骨」も参考になさって下さい。)
今回の内容をご覧になって、
えっ?レンズの前にフレームのコーティングが剥がれたけど…
レンズの小キズより、何度フィッティングしてもずり下がるフレームの方が気になるけど…
どう見てもレンズよりフレームの方がやぐい、安っぽい生地だけど…
そうお感じになられた方、
是非本物のメガネフレームを触りにお越し下さい。
レンズよりやぐくはないフレームがどのようなものか、掛け心地や触った感触で分かるのは言うまでもありません。
今なら店長の長~い解説付きで無料でお試し頂けます!(今だけじゃないか…)
草々
水谷(妻)
名古屋市千種区春岡通6-7
眼鏡店 ミルヒト
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